著者:MARGINE 代表 吉野 渉
「ミステリーや謎解きというと、闇の深いダークな作品が多い印象を持っていました。しかし本作のように、心が満たされるような温かさを感じさせるミステリーに出会えたことに、心から感謝しています」
この感想を読んだとき、この作品が届くべき人に届いたと感じた。
「とある時計店から始まる物語」は、私自身が時計に全く興味がなかったところから生まれた作品です。
50年前の時計が、今も動いている
きっかけは、宮崎市にあるアンティーク時計店・MAYROとの出会いでした。
正直に言うと、時計に興味がありませんでした。ロレックスやオメガという言葉は知っていましたが、時間を知るにはスマホで十分だと思っていた。そんな私が、1970年製のオメガ コンステレーションと出会います。
ITの世界にいる私にはわかります。コンピューターの寿命はだいたい5年。車でも長くて10年。生活家電は10〜15年ほど。一般的な住宅ローンでさえ35年です。
それが、50年以上前のオートマチック時計が、今も動いている。しかも正確な時を刻んでいる。
この驚きが、作品の出発点になりました。
アンティーク時計という「疑似体験」を届けたかった
ほとんどの人が、アンティーク時計に関わる機会を持ちません。新品・新築を追い求める時代です。リユースショップでも未使用品のニーズが高い。
そんな中で、あえてアンティーク時計という世界に触れる疑似体験をユーザーに届けたかった。
時計を持つ人たちには、それぞれの生活があります。時を刻みながら、人生の場面に寄り添ってきた時計。その記憶を巡る旅が、この作品の核にあります。プレイヤーからこんな感想が届きました。
「時計からだけでも想像できるそれぞれの人物の表情がありますよね。刻まれ織りなしていく物語を堪能しました」
この言葉を読んで、作りたかったものが伝わったと思いました。
実在する店舗が舞台だから生まれるもの
「とある時計店から始まる物語」の舞台は、実在するアンティーク時計店です。フィクションの設定ではなく、その店に本当に存在する時計たち、その空間が持つ空気感が、物語の土台になっています。
「アンティークの腕時計が繋ぐ素敵な物語。物語自体の読み心地はもちろんのこと、仕掛けにも丁寧な誘導があり、ストレスなく楽しめました」
実在する場所が舞台であることで、プレイヤーは物語を「自分の世界の延長」として受け取ることができる。それがMARGINEがコラボ店舗にこだわる理由です。体験後に実際にその店を訪れたくなる。あるいは、その場所への見方が少し変わる。そういう体験を設計しています。
温かい謎解きがあっていい
謎解きやミステリーは、緊張感やダークな世界観と結びつけられることが多いです。しかし私はそこに疑問を持っていました。
日常の中にある小さな謎。人の記憶が宿る物。地域に根ざした風景。そういうものを題材にした、温かい謎解きがあっていいはずだと。
「思ったよりボリュームがあって、良い物語をじっくり楽しめました。ショップカードにみんな違う歯車が付いていて特別感があって嬉しいです」
細部にまで宿るこだわりが、プレイヤーの手元に届く。それがMARGINEが大切にしていることです。
アンティーク時計が刻んできた時間の重みを、ぜひ体験してみてください。
MARGINE(メルジーン)は、現実の地域・店舗とつながる体験型ミステリーレーベルです。「とある時計店から始まる物語」はこちらからご購入いただけます。
