環境ミステリー

その謎には、理由がある。現実の課題から生まれるミステリー体験

著者:MARGINE 代表 吉野 渉

「軽い気持ちで始めたけど、大変なことが起きていると初めて知り、驚いています。知ることで考えることもできる」

この感想を読んだとき、この作品を作ってよかったと思った。

謎解きを買ったプレイヤーが、体験を終えて環境問題を「自分ごと」として受け取っていた。それは私自身が、この作品を作る前に経験したことと、まったく同じ驚きだった。

青島の砂浜が、少なくなっている

きっかけは、青島に集まる人たちからの何気ない言葉でした。

「砂浜が少なくなってきている気がする」

最初は半信半疑でした。温暖化で海面が上昇しているだけではないか。そんな軽い気持ちで調べ始めたのです。

ところが調べるほどに、事態の深刻さが見えてきました。砂浜は実際に消失していました。しかもその理由は、単純ではなかった。原因を辿り、エビデンスを確認し、宮崎大学の先生に対策を聞く。気づけば私は、一つの環境問題の真ん中に立っていました。

これを謎解きにして広めよう。そう思ったのは、自然な流れでした。

「伴走者のような謎解き」を目指した理由

環境問題を題材にすると、説教くさくなるリスクがあります。資料を読ませて、問題を解かせて、「勉強になりましたね」で終わる体験。それは私が作りたいものではありませんでした。

プレイヤーからこんな感想が届きました。

「ストーリーの邪魔をしない、まるで伴走者のような謎解きも素敵でした。ただ単に司令を解くだけだったら、学校の授業みたいに資料読解で終わっていたと思います。ストーリーと謎解きのおかげで、飽きさせずグッと惹きこまれる魅力がありました」

この言葉が、私たちの目指した設計を正確に言い表してくれています。

謎解きはあくまで「入口」です。プレイヤーが物語に引き込まれながら進むうち、気づけば砂浜消失という現実の課題を深く理解している。そういう体験を設計しました。

「実在する場所と資料」にこだわる理由

この作品のエビデンスは、すべて公開されている実際の資料です。架空の数字も、都合のいい設定もありません。

「実在する場所や資料を読み、原因や改善方法について楽しく学ぶことができました。また『何のための砂浜なのか』という疑問について考えることにより、浜辺ごとに合う対策を考える必要があることを学べました」

このプレイヤーの言葉が象徴しているように、現実のエビデンスがあるからこそ、体験後に「自分で考える」ことができる。フィクションで包みながらも、現実と地続きであること。これがMARGINEの環境ミステリーが持つ力だと思っています。

この謎解きが終わるころ、あなたは知ることになる

「全く事前情報なく謎解きミステリーということだけで購入したので、環境ミステリーという言葉に最初は面食らいました。しかし、身近な問題であるが全く意識していなかった砂浜消失という問題を、わかりやすく楽しく知ることができました」

環境問題に関心がある人だけに届けたいわけではありません。むしろ、まったく知らなかった人が、謎解きを通じて初めてその問題に気づく。そういう体験を作りたい。

砂浜は実際に消失しています。この物語が終わるころ、あなたはその理由を知ることになります。


MARGINE(メルジーン)は、現実の地域・環境課題とつながる体験型ミステリーレーベルです。「1つのボールペンから始まる物語」はこちらからご購入いただけます。

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